ひとひらのことのは

自然の営み

平成17年12月19日

今朝、本殿でのお祭りを終え、お稲荷さんへ巡拝(本社のお祭りが終わった後に、末社さんにお参りすること)しようしたら、参道沿いのアジサイがしんなりしてました。「あれっ、何かまずいことしたかな」と思いつつも巡拝を終え社務所に戻り、着替えてから掃除に向かいました。すると今度は玉垣(神社の周囲に設ける垣のこと。石または木で出来ている場合が多い)のそばのアジサイの葉が枯れかけているのです。

一瞬パニックになりかけましたが、冷静になって考えるとあじさいは冬場は葉っぱが落ちるのですね。近くに寄ってみると、ちゃんと花芽が出来ています。今年はちゃんと剪定をしたので、来年はたくさん花が咲くことでしょう。玉垣沿いのアジサイは密集しているので来春に植え替えるつもりです。

アサガオの種もかなり集めるできました。赤い花のアサガオの種はおそらく200粒くらいは取れたでしょうか。他にも白や青のアサガオからも採種しました。来年のお正月にお参りに来た人にさしあげるつもりです。

梅も近付いてみると花芽がたくさん付いていました。少しですが芽が膨らんでいます。剪定も自分では上手に出来たつもりなので、早く花が咲いた姿を見てみたいです。梅の苗木も植えていますが、こちらにはカイガラムシが付いていました。せっせと古い歯ブラシを使ってこそぎ落とします。カイガラムシが付くと樹液を吸い取られるので厄介なのです。

季節は冬を迎えていますが、植物は着々と春の準備を進めています。そうして、春や夏に綺麗な花を咲かせるのですね。自然の営みは素晴らしいなと思います。昔の人々が木や森に神の姿を見たのもわかるような気がします。




ブログの更新が遅れて申し訳ありません。先週末に2泊3日で、仕事を兼ねて大阪方面を旅行していました。

その仕事とは、「イチハラヒロコ恋みくじ」をイチハラヒロコさんと協働で製作された、布忍(ぬのせ)神社の宮司であり現代芸術作家でもある寺内成仁(なりひと)氏にご挨拶に行くことでした。

布忍神社は大阪の松原市にご鎮座しています。大阪の天王寺にある阿部野橋駅から近鉄の普通電車に乗ること約20分。布忍駅に到着です。周りは昔からの住宅街といった感じで、小道が縦横に走っています。駅前の地図を頭に入れて10分近く歩くと橋が見えてきます。ここが神社への入り口です。

着いてはみたものの、約束の2時にはまだ早い1時20分。境内を散策したり写真を撮っても時間がそう経つわけではなく、ちょっと散歩しようと境内を出ようとしたところでした。社務所の方から紫色に紋入りの袴をはいた神職さんが出てらっしゃいました。布忍神社宮司の寺内さんです。早速社務所に入れていただきました。

社務所の玄関を入ると、いきなり正面にイチハラヒロコさんの作品が。一瞬考えて吹き出してしまいました。お茶室の掛け軸を彷彿(ほうふつ)させます(実際はセザンヌの絵からの発想らしいです)。宮司さんの後について、応接室に入りました。宮

宮司さんもお忙しいだろうから30分くらいでお話が終わるだろうと思っていたら大間違い。話は「イチハラヒロコ恋みくじ」の話から神社の活性化の方法や美術の話、神職とはどうあるべきか・・・などという話をしていたら、あっという間に時間が過ぎていきました。

途中から天王寺動物園の飼育係の方も参加されました。この方は現在コアラの飼育係をされていますが、いろんな企画も立ち上げたりするアイディアマン。コアラ舎にちいさなお社を建て「子守熊(こもりぐま、コアラのこと)おまもり」を作ったりしているみたいです。爬虫類が大好きで、今度は巳蛙(みかえる)神社を作ろうと奔走されています。たくさんの人に動物園に来てほしいということで、日夜努力している様子が伝わってきました。大阪近郊にお住まいの方はぜひ天王寺動物園に行ってみてください。

結局そうこうしているうちに6時を過ぎ、宮司さんに食事に誘われました。わたしももっとお話したかったので、宮司さんが着替えるのを待っていると、宮司さんが「イチハラヒロコさんから電話なので、せっかくだから話してみたら」とおっしゃったのです。突然のことにびっくりしながらも電話に出ました。緊張しながらもお礼とぜひ熊本にも遊びに来てくださいということをお話ししました。恋みくじの印象ではもっときつい感じの方かなと思ってたのですが、とても優しそうで、暖かい心で包んでくれるような感じの方でした。

宮司さんが着替えを終え、宮司さんと一緒に食事に向かいます。布忍の駅の横の踏切を越え、少し歩くとお店に着きました。普通の町の居酒屋という感じでしたが、出てくる料理が本当においしいのです。よく話を聞くとこのお店の板長さんはあの吉兆で修業されていたそうです。料理も居酒屋で出るようなものではなく懐石料理の中の一品といった感じの上品なもの。味は文句無しです。しかも値段は居酒屋より気持ち高い程度のお値段。このお値段で何故こんなに美味しいものが食べられるのと思いました。ここで国産のししゃもを初めて食べたのですが、オスのししゃもの方が実は美味しいそうです。濃厚ですが油っぽくありません。その後食べたメスのししゃもは淡泊な感じがしました。タラの白子はプりっとした感じですが、お口の中でとろけます。ちなみにお店の名前は「一孝」。「ひとつひとつに尽くす」という意味らしいです。布忍神社のお参りの後に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

いつの間にか時間は過ぎ、時計を見ると夜の10時半を回っていました。終電の関係で残念ながらお開き。結局9時間も話していました。実はわたしは熊本に来る前にちょっとしたスランプに陥っていたのですが、宮司さんから元気をもらい、頑張ろうという気持ちにさせてもらいました。

寺内宮司さんはとても素敵な方でした。なかなかここまで人の気持ちをわかってくれるような神主さんはいらっしゃらないと思います。わたしも宮司さんのような神職さんになれるよう頑張りたいと思います。

実は宮司さんにお会いしたときに、「スルッとKANSAI」のカード(京阪神一円の私鉄やバスの共通カード)を使った「イチハラヒロコ恋みくじ」番外をもらいました。これは150枚しか製作されていない貴重なカードで、わたしが一番最初にこのカードをもらった人らしいです。このカードを使って宮司さんは何か考えているそうです。布忍神社のホームページ(http://www.eonet.ne.jp/~nunose/)をこまめにチェックしてみたら情報が出てくるかも。大阪近郊にお住まいの方は初詣はぜひ布忍神社へ。サプライズがあるかも知れません。


神職になる方法

平成17年12月03日

今日は神職になるための方法についてお話ししましょう。

神職になるにはいくつかの方法があります。一番早いのが講習会を受けること。神職には上から「浄階」「明階」「正階」「権正階」「直階」の5つの階位がありますが、講習会では浄階と明階以外の階位を取得することができます。一番下の直階ですと約1ヶ月で資格を取得できます。これを聞くと「たった1ヶ月で!」と思うかも知れませんが、そんなになまやさしいものではありません。朝から晩まで講義と祭式(祭典などで行なう作法のこと)の勉強があります。休日はあるものの、精神的肉体的に相当きついと思います。

仕事をしながら階位を取得しようと思ったら、「大阪国学院」という通信制の学校に通う方法があります。ここでは1年で直階、次の1年で権正階を取得できます。ここも「通信制で取れるのか」とあなどってはいけません。毎月複数(しかも各々が400字詰め原稿用紙5枚やそれ以上)のレポートを提出しなければいけません。年2回、それぞれ4日間のスクーリング(実際に学校に来て講義を受けること)もあります。強い意志とある程度の時間の余裕がないと、途中で挫折すること必至です。

一番多いのが学校に通うこと。「國學院大學」と「皇學館大学」とがあります。学部の場合は、4年間通うと正階の資格が取得できます。専攻科(わたしはここに通いました)は大卒者向けのコースで1年間で正階の資格が取得できます。これもなかなか大変で、1年間で普通の大学生の倍近く単位を取らなければいけません。毎日のように講義が3コマから4コマあります。ちなみに大学や専攻科を卒業した後に2年間神社で奉職し、必要な研修をいくつか受けると明階を取得できます。

他にも研修所というものが伊勢神宮や熱田神宮などいくつかの神社に附属して設置されています。ここでは2年間で正階の資格が取得できます。

こうした研修機関に通わずに試験を受ける方法もあります。これは相当難しい試験で、わたしでも問題を見ると驚くくらいです。正直言って権正階の試験でも受かるかどうか心配です(笑)

もちろん資格を取ったからそれで終わりではありません。あくまでも神職としての第一歩を踏み出しただけです。神社に奉職し、神様と向き合い人と向き合い、毎日研鑽に励むことが大切なのです。

なお、こうした研修機関を受験する際にはその都道府県の神社庁(全国の神社を包括する神社本庁というものがあり、神社庁はその出先機関のようなもの)長の推薦などが必要です。誰も彼もがなれるというわけではありませんが、真剣に神職になりたいと考えているのでしたら、まずは近くの神社の神主さんに尋ねてみましょう。ちなみに神職には女性もなれます。


お宮参り

平成17年11月28日

今日はわたしが熊本に帰ってきてから初めて、うちの神社で初宮詣のご祈願がありました。熊本では初宮詣を「お宮参り」ということが多いようです。

初宮詣というのは以下のような意味があります(『神道いろは』『神道事典』参照)

・氏神様をお参りすることにより、誕生した子供を新しい氏子として認めてもらうこと

・未だ不安定な状態にある新生児が、氏神様のご神徳により力強い生命力を得て健やかに育つことを祈願すること。

・子供が産土神(うぶすながみ、氏神様のこと)のご分霊をたまわり、この世に生を享けたとする信仰に基づき、これに感謝をすること。

初宮参りの日は、熊本では男子が生後31日目、女の子は33日目という場合が多いようです。これも地方によってそれぞれです。実際にはこの日以降でしたら、いつでもよろしいかと思います。寒い時期を外されて、暖かくなってからいらっしゃる人も多いです。極端に遅くなるのは考えものですが、神社にお参りして神様に誕生のご奉告をすることと、無事に成長することをお祈りするという気持ちが大事なのです。

今日お宮参りのご祈祷をしたのは、わたしの知人のTさん夫妻の長女さんでした。お二人とも職場がうちの神社の氏地(それぞれの神社の神様が守っている土地のこと)にあるというのも何かのご縁なのかなと思います。こうしてお二人と知りあえたのもご縁ですし、ご縁というのは不思議なものですね。

長女さんのお名前は、奥さんの亡くなったお父さんから一字いただいたそうです。亡くなったお父さんもお喜びだと思います。きっとお父さんはこれからもお孫さんにあたるこの子はもちろんのこと、Tさんご一家を見守ってくださるんでしょうね。わたしもTさんご一家のご多幸を心よりお祈りしています。

このように幸せなご祈祷をさせてもらうと、こちらまで幸せな気分になれます。こういった時は神主になってよかったなと思います。


神饌のお話

平成17年11月23日



今日は新嘗祭という祭典がありました。新嘗祭は神社の祭儀の中でも重要な祭儀の一つなので、神饌(しんせん、神様へお供えする食べ物や飲み物の総称)の台数が一番多くなります。

神饌をご神前にお供えする場合ですが、お供えする順番が決まっています。神様に近い順番に並べると以下のようになります。

1、和稲(にぎしね・モミを取り去り精米したもの)2、荒稲(あらしね・モミのままのもの) 3、酒 4、餅 5、海魚 6、川魚 7、野鳥 8、水鳥 9、海菜(昆布、ワカメなど) 10、野菜 11、菓(果物) 12、塩・水

これを全部お供えすることはめったになく、神社の規模や祭典の規模に合わせ、この範囲内でお供えしています。ちなみに今日の新嘗祭でお供えしたのは1・2・3・5・7(野鳥の替わりに卵)・9(海菜の替わりに乾物類)・10・11・12です。1・2・3は同じ三方(さんぼう、神饌などを載せる台のこと)に載せているので、7台お供えしたことになります。

神饌はお供えした後、人間がいただくことになります。神様がお召し上がりになった食べ物を人間がいただくことにより、神様のお力をいただくのです。神社でご祈祷をした後に撤饌と称して落雁(らくがん)などのお菓子やするめなどをお渡ししますが、これにはそういった意味合いがあります。

神饌を盛る場合には見栄えも大事です。野菜や魚などの向きには決まりがあります。魚はお腹を神様の方に向けお供えします。当社では基本的に平瓮(ひらか・お皿のこと)に神饌を盛っていますが、直盛り(じかもり)といって、三方に直接神饌を盛ることもあります。熊本では直盛りが多いようです。

みなさんが神棚に神饌をお供えされる場合は、米・酒・塩・水だけでも構いません。季節のお野菜や果物、また旅行のお土産などをお供えされると神様も喜ばれることでしょう。


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