ひとひらのことのは

「きょうの発言」第11回

平成21年12月07日

「きょうの発言」第11回を転載いたします。


「いじめに立ち向かう」

昨年、壮絶な「いじめ」に立ち向かう女子高生が主人公のドラマが放映され、大きな反響を呼んだ。だが私は、「いじめ」のシーンを目にしてやり場のない怒りを感じ、どうしても見続けることができなかった。

私は小学生から高校生の時までいじめを受けていた。机一面にチョークで落書きをされたり、かばんや教科書に穴を開けられたりしたこともあった。卑劣ないじめに強い憤りを感じながらも、私には抜け出すすべが分からなかった。

しかし、このままではいけないという思いから、大学進学をきっかけに接客業のアルバイトに挑戦したり、トレーニングで体を鍛えたりして、自分に自信を持とうと努力した。そのうちに信頼できる友人も増え、「人生の楽しさ」を実感できるようになったのである。

今振り返ると、精神的に最もつらかったのは小学生の時だったように思う。子供には、学校が「世界」そのものといっても過言ではない。学校でのいじめが居場所を奪い、この世のすべては暗闇に包まれていると思わせてしまう。

いじめられている子供の親や教師にお願いしたい。「いじめ」に早く気付いて、学校以外にも居場所があるということを伝えてあげてほしい。外には明るい世界が広がっていることを知るだけでも、彼らには救いとなるに違いないのだ。

もちろん、いつかは本人が、「いじめ」に立ち向かわなければならない。しかし、渦中にいる子供は自分を否定的に見てしまい、自分の存在意義すら見失っているのだ。どんな方法でもいい。まずは自己を肯定できる自信を付けさせることが必要だ。きっかけさえ作ってあげれば、自分の足で歩き出せるだろう。その手助けをするのが大人の役割だと思う。

(平成20年3月18日付の熊本日日新聞夕刊より転載)


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