ひとひらのことのは

以前に参拝者の方から、「なぜお稲荷さんの鳥居は赤いのですか?」と聞かれたことがあります。その時は「朱色は魔除けの意味があるんですよ」と答えたのですが、果たしてそれでよかったのかと思い、もう一度本を読み直してみました。『神道いろは』によると、

「朱色は生命の躍動を表すとともに、古来災厄を防ぐ色としても重視されてきました。このため、古くは御殿や神社の社殿などに多く用いられており、稲荷神社の鳥居の朱色もこの影響によるものと考えられます。」

とあります。確かに稲荷神社以外でも、熊本の藤崎八旛宮のご社殿は朱色を多く使っています。八代の妙見宮もそうですし、鹿児島の霧島神宮も朱色を多用しています。

朱は硫化水銀から採れる顔料の色を指しました。硫化水銀は古墳の内壁や石棺の彩色などにも使われていました。硫化水銀は水銀を含むので、摂取すると危険であり、そのことから魔除けの意味が生まれたのかもしれません。

普段何気なく見過ごしていることにも大事な意味があるのです。


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