宮司の日記

骨髄提供体験記その5 手術当日・前編

手術の前日は寝付いたものの、夜中に何度か目を覚ましました。やはり緊張しているのでしょうか、あまりよく眠れないまま午前7時頃に目を覚ましました。ほどなく、看護師さんが体温と血圧と血中酸素濃度を測定に来ました。今日は担当の看護師さんがお休みなので、別の看護師さんが担当されました。絶食絶飲なので、もちろん朝食もなしなのですが、思ったよりもお腹は空きません。

 

しばらくすると、ストレッチャーが運ばれてきました。いよいよ手術だなという感じです。その後に手術着に着替え、下着をT字帯(要するにふんどし)に着替えました。

 

午前8時過ぎに筋肉注射を打たれました。これが結構痛いとのことでしたが、思ったほどではなかったです。この筋肉注射には精神の緊張を和らげる安定剤や、唾液などの気管分泌物を出にくくして挿管をしやすくする薬が入っているようです。

 

午前9時頃に手術室に入ることになり、ストレッチャーに乗せられました。その日付き添いをしてくれた母によると、その前に10分ほどうとうとしていたようですが、私自身にその記憶はありませんでした。

 

ストレッチャーに乗せられ手術室に向かいます。子供の頃に手術を受けた時には手術室に入る前に消毒室に入れられた記憶があります。SF映画に出て来るような感じでした。そういったわけで、今回も消毒室に入るのだろうなと思っていたら、何とそのまま手術室に入りました。これには驚きましたが、別に切開したりするわけではないので、採取部位の消毒だけでいいということなのでしょう。

 

手術室に入ると何人かの先生や看護師さんがいました。手術室はかなり古めかしい感じです。ドラマの「白い巨塔」に出てきた綺麗な手術室とは全然違うなと思ってしまいました。麻酔科の先生がやってきて、マスクを口に当てると、急激に眠気が襲ってきました。抵抗できない眠気というのもあるのだなと思っているうちに意識を失いました。